笑’sって、そもそもどんな会社なんだろう。
2026年8月、キャンプ芸人のヒロシさんとのトラブルで一気に注目を集めた焚き火台ブランド「笑’s」ですが、実はゆるキャン△ファンや玄人キャンパーの間では以前から知られた存在なんです。
この記事では、笑’sの成り立ちから評判・口コミ、そしてヒロシさんとの知られざる関係まで、じっくりまとめていきます。
笑’sとはどんな会社?埼玉県発、板金工場から生まれたブランド
まずは、笑’sという会社の基本情報から押さえていきましょう。
実はこのブランド、キャンプ用品専業のメーカーとして生まれたわけではないんです。
「有限会社昭和プレス」という会社の素顔
笑’s(ショウズ)は、埼玉県戸田市にある有限会社昭和プレスが展開するアウトドアブランドです。
もともとは1962年に創業した、金属プレス加工の町工場でした。
OAスチール家具の部品や各種棚板などを手がけてきた会社で、板金加工の技術には長い蓄積があります。
社長を務めるのは、二代目にあたる高久笑一さん。
その技術を、そのまま焚き火台づくりに生かしているんですよ。
会社の基本情報を、箇条書きで整理しておきますね。
- 社名:有限会社昭和プレス
- ブランド名:笑’s(ショウズ)
- 代表:高久笑一さん
- 所在地:埼玉県戸田市(もとはさいたま市)
- 創業:1962年
- ブランド開始:2008年12月
- 主な事業:金属プレス加工、板金加工、焚き火台や薪ストーブなどアウトドア用品の企画、設計、製造、販売
もともとプレス加工の会社が、なぜ焚き火台メーカーとして知られるようになったのか。
続いて、その経緯を見ていきます。
リーマンショックがきっかけだった創業の裏側
笑’s誕生のきっかけは、2008年のリーマンショックだったといいます。
町工場である昭和プレスも仕事が激減し、廃業寸前まで追い込まれたそうです。
高久笑一さんが自身のXで振り返っているところによると、当時は負債が1億円を超え、税理士から自己破産の手続きを勧められるほどの状況だったとのこと。
負債1億円。
想像するだけで胃が痛くなる金額です。
……よくそこから焚き火台を作ろうと思えましたね、これ。
どうせ潰れるならと、趣味で自作していた焚き火台を商品化したのが、笑’s事業部の始まりだったそうです。
2008年12月に「ちび火君」、翌2009年4月には代表作となる「B-6君」を立て続けに発売しました。
軌道に乗るまでは決して順調ではなく、当初はまったく売れなかったという話も、高久笑一さん自身が語っています。
ここまで厳しい状況から立ち上がったブランドだと知ると、今回のヒロシさんとのやり取りで権利や対価にこだわった理由も、なんとなく見えてくる気がするんですよね。
一度失いかけたものづくりの誇りを、簡単には手放したくなかったのではないか。
というのが、経緯を調べていて私が感じたことです。
笑’sの焚き火台が支持され続ける理由|ものづくりへのこだわり
会社の成り立ちが分かったところで、次は製品そのものの特徴を見ていきましょう。
笑’sが長く支持されているのには、ちゃんと理由があるんです。
笑’sの焚き火台には、いくつかの共通した特徴があります。
まず目を引くのが、蝶番や溶接を一切使わない折りたたみ構造です。
焚き火の熱で壊れやすい部分をあえて排除し、板金職人の技術だけで組み立て式に仕上げているんですよ。
熱源と地面のあいだに灰受けを設けた「ローインパクト」設計も、笑’sらしいポイントです。
直火が禁止されているキャンプ場が増えているなかで、地面へのダメージを抑える工夫が施されています。
製品化の前には自社所有の野営地で実地テストを重ねているそうで、満足のいく燃焼効率を確認できたものだけが商品になる、というこだわりぶり。
大量生産ができない分、価格は一般的な量産品よりも高めです。
それでも10年以上使い続けているユーザーが珍しくないというのは、丈夫さの裏付けと言っていいと思います。
壊れても部品ひとつから購入できる仕組みになっているのも、長く使ってほしいという姿勢の表れなんでしょうね。
一点だけ知っておきたいのが、修理保証の考え方です。
「形あるものは壊れる」という思想のもと、初期不良以外の修理は有償対応。
しかも、公式オンラインショップか正規代理店以外で購入した製品は、修理も部品購入も一切受け付けていないという、かなりはっきりしたルールになっています。
このあたりも踏まえつつ、次は実際の評判・口コミを見ていきましょう。
笑’sの評判・口コミを徹底チェック|良い声と気になる声
ここからは、実際に使っている人たちの声を集めてみました。
良い評判ばかりを並べても参考にならないので、気になる声もあわせて紹介しますね。
良い口コミに多く見られる声
レビューサイトやブログを見ていくと、代表作「B-6君」を中心に、こんな声が多く見られました。
- ソロキャンプにちょうどいいサイズ感
- 少量の炭でも十分に燃焼する
- 組み立てと収納がシンプルで使いやすい
- 火を入れるとロゴが浮かび上がるデザインがかっこいい
- パーツが傷んでも単品で買い替えられて長く使える
なかでも「火に照らされるロゴがかっこいい」という声は、複数のレビューで見かけました。
機能だけでなく、焚き火を眺める時間そのものを楽しませてくれる工夫なんだと思います。
サイズ違いのA-4君やB-GOも、シーンに合わせて使い分けている人が多いようでした。
気になる口コミ・デメリットの声
一方で、気になる評判も正直に紹介しておきます。
- ソロ用としても小さいと感じる人がいる
- コンパクトな分、薪や炭の量の調整がシビア
- パーツの隙間の汚れが落としにくい
- 製品によっては安定感に欠けるという声も
小さいと言われたり、ちょうどいいと言われたり、どっちやねん、と言いたくなるところなんですが、要は「使う人の目的次第」ということなんですよね。
「小さい」「管理が面倒」という声は、コンパクトさを追求した設計の裏返しでもあります。
万人向けというより、ソロキャンプでの携行性を最優先した人向けのブランドなんやと思うんですよね、正直。
大きめのグループキャンプで使いたい人は、A-4君など少し大きめのモデルを選ぶといいかもしれません。
ゆるキャン△コラボで知名度が爆発|数十秒完売の人気ぶり
笑’sの名前が一気に広まったきっかけといえば、やはりこのコラボです。
アニメ『ゆるキャン△』の主人公・志摩リンが作中で使用している焚き火台として、笑’sのB-6君が登場したことをきっかけに、知名度は大きく跳ね上がりました。
2018年2月には、B-6君の背面板に志摩リンのイラストと富士山をあしらった「リンちゃんのYAKINIKUセット」が発売されました。
焚き火をすると背面板に富士山が浮かび上がる特別仕様で、これがファンの間で爆発的な人気を呼びます。
その後も複数回にわたって販売されていますが、いずれの回も数十秒で完売したと報じられているんです。
数十秒って、もはや争奪戦ですよね。
人気アニメとのコラボというだけでなく、笑’s自身の職人技があってこそのヒットだったんだと思います。
キャラクター人気だけの一発屋ではないことは、受賞歴からも分かります。
2021年には、B-5サイズの焚き火グリル「B-GO-WING」が、アウトドア誌BE-PALのアウトドアアワード2021で「焚き火台オブザイヤー」を受賞しました。
左右の扉が羽のように開いて長い薪をそのまま入れられる構造が評価されたモデルです。
アニメ人気にあやかっただけのブランドではない、というのが数字と実績の両方から伝わってきます。
コピー品・転売への厳しい姿勢に見る笑’sの企業姿勢
ここで少し、笑’sという会社の「芯」の部分に触れておきたいと思います。
人気が出れば出るほど直面する問題が、実はこの会社にもありました。
「リンちゃんのYAKINIKUセット」が人気を集めた2018年、転売目的での買い占めが問題になったことがあります。
このとき笑’sは、転売禁止・再譲渡禁止の特約を明記したうえで、実際に転売者へ内容証明通知書を送付するという、かなり踏み込んだ対応を取ったそうです。
「売れればOK」というスタンスのメーカーも少なくないなかで、ここまで厳しく対応する姿勢には驚きました。
さらに2023年には、コピー品や模倣品の増加を受けて「町工場プライド品質」を宣言するキャンペーンも実施しています。
自社が切り拓いてきたコンパクト焚き火グリルの市場に、いわゆる“ジェネリックB-6君”と呼ばれるような模倣品が次々と参入してきたことへの、いわば意思表示だったようです。
こうして振り返ってみると、笑’sは以前から「模倣」や「権利」という問題に、繰り返し向き合ってきた会社だということが分かります。
今回のヒロシさんとの一件で、知的財産権の帰属にこだわった背景にも、こうした長年の経験が影響していたのではないか。
というのが、調べていて私が感じた見立てです。
ヒロシと笑’sの関係性|長年の付き合いから見えてくるもの
最後に、多くの人が気になっているであろう、ヒロシさんと笑’sの関係について整理していきます。
ヒロシが愛用してきた「B-6君」との出会い
ヒロシさんは、笑’sの代表作であるB-6君のチタンモデルを、キャンプを始めた初期の頃から愛用していた一人です。
キャンプ情報メディアでも「初代のグリルとして愛用していた焚き火台」として紹介されていて、ヒロシさんがソロキャンプにのめり込むきっかけになった一台だとも語られてきました。
チタンを選んだ理由については、熱が入ると青く色づく変化がかっこいい、という趣旨のことを話していたそうです。
現在のメインはピコグリル398に移っているようですが、原点に近い場所にあったブランドであることは間違いありません。
長年信頼して使ってきたブランドだからこそ、今回オリジナル焚き火台の制作を依頼したのも、自然な流れだったんだと思います。
10周年イベントでの交流エピソード
実は、笑’sとヒロシさんの関係は、単なる「愛用者とメーカー」というだけではなかったようです。
象徴的なのが、2015年2月にヒロシさん本人がXに投稿していた一枚の写真です。
笑’sが特別に作ってくれたB-6君用のチタンプレートで、火を入れるとヒロシさんの姿が浮かび上がる仕組みになっている、という内容でした。
投稿には、笑’sへの感謝の言葉も添えられています。
世界に一台の、ヒロシさん専用の焚き火台。
いつもありがとう、と本人が書いているわけです。
……これ、ただの取引先に対する言葉じゃないですよね。
さらに、笑’sの10周年イベントにヒロシさんが来場してサインを残していったというエピソードも、キャンプブロガーの取材記事で紹介されていました。
11年前のプレゼントから、10周年イベントでの再会まで。
キャンプ仲間としての交流が、長い時間をかけて積み重ねられていたことがうかがえます。
2026年8月のトラブルはなぜ起きたのか
2026年8月17日、ヒロシさんがXで「オリジナル焚き火台の制作を依頼した会社に、同じデザインの製品を作られた」という趣旨の投稿をしたことから、今回の騒動が始まりました。
翌18日には、笑’s公式アカウントが自社の言い分を投稿し、3ヶ月ほどかけて無償で設計・試作をおこなったものの、対価も権利も得られないまま契約が不成立になった、という経緯を明かしています。
契約書に記載された知的財産権の条項が、双方の認識のずれを生んだ大きな要因だったようです。
詳しい経緯については以前別の記事でも整理しているので、ここでは深追いしません。
今回改めて調べてみて感じたのは、これだけ長い付き合いと信頼関係があったからこそ、契約書なしの口約束だけで話が進んでしまったのではないか、ということです。
そして関係が深かった分、こじれたときの感情のもつれも大きくなってしまった。
赤の他人同士のトラブルというより、長年のキャンプ仲間だったからこその行き違いだったんやと、私は思っています。
まとめ
最後に、この記事で分かったことを整理しておきますね。
- 笑’sは、埼玉県戸田市の有限会社昭和プレスが展開するアウトドアブランドで、代表は高久笑一さん
- 昭和プレスは1962年創業の板金工場で、2008年のリーマンショックをきっかけに焚き火台事業を開始した
- 蝶番や溶接を使わない折りたたみ構造と、ローインパクト設計が笑’sの製品の特徴
- 口コミは「サイズ感がちょうどいい」「デザインがかっこいい」という声が多い一方、「小さい」「管理が面倒」という声もある
- ゆるキャン△とのコラボ商品は、複数回にわたって販売され、いずれも数十秒で完売したと報じられている
- 2021年には「B-GO-WING」がBE-PALアウトドアアワードの「焚き火台オブザイヤー」を受賞している
- 2018年の転売対応や2023年の品質宣言など、模倣品や転売に対して一貫して厳しい姿勢を取ってきた会社でもある
- ヒロシさんとは、B-6君チタンの愛用に加え、専用チタンプレートの贈呈や10周年イベントでの交流など長年の接点があった
調べれば調べるほど、笑’sは単なる「話題になったメーカー」ではなく、廃業寸前から立ち上がった町工場の意地と誇りを、ずっと焚き火台に注ぎ続けてきた会社なんだと感じました。
今回のヒロシさんとの一件も、関係が薄かったから起きたのではなく、むしろ深かったからこそのすれ違いだったのかもしれません。
この記事が、笑’sという会社を知るきっかけになれば嬉しいです。

コメント